いろんな始まりと、いろんな終わり方
長くお稽古を続けていると、本当にさまざまな「別れのかたち」に出会います。
ある日突然、連絡が途絶える方。
「来月はお休みします」と言ったきり、LINEが既読にならず、返事もないまま——。
それが本当の予定だったのか、それともそのままフェードアウトするための言葉だったのか、わかりません。
無理に理由を聞き出したり、引き止めたいわけではありません。
でも、せめて「今月で辞めます」とか、後日「通うのが難しくなりました」と、一言でも伝えてくだされば、こちらも気持ちの整理がつきます。
私自身、かつて簡単には辞められずに苦労した経験があるからこそ、同じ思いを生徒さんにさせたくありません。
ですから、「辞めます」の一言だけで、深く追求したりすることはありません。
わざわざご挨拶に来ていただかなくても構いません。
LINEで一言伝えていただければ、それだけで十分なのです。
連絡なしに来なくなる方は、20〜30代の方や、お稽古歴の浅い方に多い印象があります。
これは時代の流れなのかもしれません。
そのため今では、「3ヶ月以上予約がない方は、辞めたものとして扱う」ことにしています。
以前は毎月こちらから確認の連絡をしていましたが、ブロックされたり返信がなかったりすることもあり、正直なところ心がすり減ってしまいました。
ですので今は、無理に追わず、気持ちを切り替えるようにしています。
一方で、お稽古にいつも通りやってきて「今日で辞めます」と突然伝えられて驚いたこともありますが、「モチベーションが保てなくなったから」と正直に話してくださったことには、感謝の気持ちがありました。
正直なところ、辞めそうな予感のある方であれば、「ああ、やっぱりそうか」と思うこともあります。
けれど、今まできっちりお稽古に通い、何の前触れもなかった方が突然「今日で辞めます」と告げられたときの衝撃は、とても大きなものです。
私の中で立てていたレッスンの計画も、一瞬で意味を失ってしまうような感覚になります。
だからこそ・・
今月で辞めようと考えている方も、月初めのレッスンや最終日前など、できるだけ早めにLINEや口頭でお知らせいただけると助かります。
今日はこんなレッスンをしよう、この曲が終わったらあの曲にしようかな、と講師側も計画を立てています。
そこに、モチベーションが下がっている様子の生徒さんから「今日で辞めます」と突然告げられると、「今日のレッスンをどう進めよう…」と戸惑ってしまうのです。
中には、数ヶ月前から「異動のため◯月で辞めることになりました」とお話してくれた生徒さんもいます。とても誠実なご対応です。その方は今も東京の先生のところで箏を続けており、交流が続いています。
また、長く通ってくださっている方とは、自然と信頼関係ができています。
「しばらくお休みします」と言われても、「きっとまた来てくれる」と思える安心感があります。
体験レッスンの段階でも、さまざまなパターンがあります。
「ぜひ習いたいです」と即答され、「道具の手配をお願いします」とLINEも交換、月謝袋や書類を持ち帰られた方が、以後まったく連絡がつかなくなることもありました。
LINEも既読にならず、メールの返信もなく、ショートメッセージには一度だけ「入会しようと思っています」と返信があったものの、その後2ヶ月以上予約はなく・・
期待していた分、やはり戸惑いや寂しさは残ります。
「友達と一緒に習いたい」とお二人で体験に来られた方もいましたが、お一人は入会しますと言ったきり、もう一人は特にやる気も感じられず、おそらくお誘いに合わせていらしただけなのだと思います。もしかして何かの調査かな?と思うような節もあり、少し戸惑いました。
こうした経験から、「完全個人レッスン制」を基本とし、体験レッスンもお一人ずつ別々にお受けしています。
部屋の広さの都合もありますが、それ以上に、一人ひとりの理解やペースを大切にしたいからです。
お稽古には、いろんな始まり方があって、いろんな終わり方があります。
でも、できればそのどちらにも、少しの誠意とあたたかさがあると、やはり嬉しいものです。そして私は、これからも、自分のペースで安心して学べる場所を作り続けていきたいと思っています。

