先日、生徒さんのFさんから、とても素敵なご案内をいただきました。
Fさんは、もう30年ほど筑前琵琶を続けていらっしゃる方で、雅号を持ち、演奏だけでなく事務局としての活動にも携わっておられます。このたび、Fさんが学ばれているお師匠様による筑前琵琶独演会のご案内チラシとチケットをいただきました。
当日は、Fさんご自身も開会のご挨拶とナレーターを担当されるそうです。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽に私までご連絡くださいね。
(※チケット枚数には限りがありますので、お早めにどうぞ)
「琵琶」と聞いて、私がすぐに思い出したのは、大学時代の部活。
定期演奏会の終曲として、毎年演奏されていたのが、長澤勝俊作曲《春・夏・秋・冬の一日》シリーズでした。
1回生のときは「秋の一日」、2回生では「夏の一日」を演奏しました。どちらの曲にも琵琶や打楽器が加わり、合奏としてのスケールが大きく、特別な緊張感と達成感を伴うものでした。ちなみに琵琶や打楽器パートは、三絃の先輩方が担当されていました。部活として琵琶はなかったため、夏休みに短期で琵琶の先生のもとへ習いに行かれたそうです。
中でも印象深いのは、1回生の「秋の一日」。
春に入部してからわずか半年で迎えた初舞台。しかも、手の細かい1箏。もちろん暗譜。
大勢の先輩方の迫力ある演奏にただただ圧倒されました。
夜9時まで、OBでプロの尺八奏者でもあるY.R先生に、現代曲としての厳しいご指導を受けた日々。その熱量と緊張感は、今も心に強く残っています。
正直なところ、2回生で演奏した「夏の一日」の記憶は、少し薄れてしまっています。1箏か2箏かも覚えていません。個人曲の「雪月花によせて」はよく覚えているのですが、やはり1回生の「秋の一日」がそれほどまでに鮮烈だったのでしょう。
そして3回生では「春の一日」を演奏する予定でしたが、部員の減少と三絃パートが0人のため、それ以降は琵琶や打楽器を含む大編成の曲は選曲できず、少し寂しい思いもありました。
あの「秋の一日」は、初めての部活動での初めての発表。合奏の難しさと、音が重なり合う美しさを初めて体感した、かけがえのない舞台だったのだと思います。
さて、一口に「琵琶」といっても、実はいくつか種類があるそうです。
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宮中の儀式で使われる「楽琵琶」
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平家物語の語りで知られる「平家琵琶」
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武士の精神性が息づく「薩摩琵琶」
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そして、Fさんが学ばれている、語りと旋律の美しさが魅力の「筑前琵琶」
Fさんは「もっと多くの方に筑前琵琶のことを知ってほしい」「演奏会をもっと身近に感じてほしい」「この音を、次の世代にも届けたい」との思いで、広報活動にも力を注いでおられます。
Fさんも40代ぐらいから始められたそうです。初心者にも開かれた世界であること、もっとたくさんの方に伝わると嬉しいです。
👉Fさんが所属されている「筑前琵琶大阪旭会」のホームページはこちら
先日、YouTubeのライブ配信にゲスト出演されていました
👉 トーク動画はこちら
演奏の魅力だけでなく、琵琶に向き合う真摯な思いが伝わってくる、とても素敵な内容でした。