以前の私は、歌っても演奏しても、ただ音を並べているだけのような気がしていました。
楽器を始めて45年。
ピアノは6歳から18歳まで、箏は19歳から、三絃は23歳から現在まで続けています。
どの楽器も楽譜通りに弾くことはできても、自分の音にどこか違和感がありました。
音が硬い。
流れがない。
感情が伝わらない。
今振り返ると、音楽を演奏しているというより、楽譜を追いかけているだけでした。
動きも硬く、力任せに弾いていることが多かったように思います。
当時は次々と新しい曲に取り組み、一つひとつの音や音楽の流れについて深く考えることはありませんでした。
けれど、演奏を続けるうちに「本当にこれで良いのだろうか」と感じることが増えていきました。
「どうすれば、もっと心に響く音が出せるのだろう?」
そんな思いで通い始めたY先生のレッスンで、繰り返し教わったことがあります。
それは、音を大切にすること。
音の伸びを感じること。
そして、実際に歌ってみることです。
最初はよく分かりませんでした。
けれど、レッスンで何度も歌いながら弾くうちに、少しずつ見えてきたものがあります。
箏や三味線は、弾いた瞬間から音が消えていく楽器です。
だからこそ、次の音へどうつなげるかが大切になります。
実際に歌った時の息の流れや音のつながりを感じながら弾くと、不思議と音楽が自然につながり始めるのです。
(参考動画:2025年4月作成)
初心者の生徒さんにありがちな演奏と、音のつながりを意識して弾いた演奏を比較しています。
最近になって、今まで見えていなかった景色が少しずつ見えてきました。
音楽は本当に奥が深いですね。
これからも一つひとつの音を大切にしながら、声のように音をつなげることを意識して学び続けていきたいと思います。
