生徒さんとのレッスンで、よく感じることがあります。
お箏や三味線の楽譜には数字が並んでいるため、
「次の音を間違えないように」
と一生懸命になるあまり、数字を追いかけるだけの演奏になってしまいがちです。
すると、今出している音を聴く余裕がなくなり、せかせかした演奏になります。
これは初心者の方に限らず、誰でも直面する課題です。
テンポの遅い曲では間が待てず、テンポの速い曲では焦ってしまう。
三味線ではハジキやスリに気を取られ、その前の音が短くなりやすく、お箏でも次の音や左手の準備を急ぐあまり同じことが起こります。
私自身も例外ではありません。
お稽古ではY先生から、
「ほんのちょっとしっくり来てないね」
と言われることがあります。
自分では弾けているつもりでも、次の音を急ぐあまり、今出している音を十分に聴けていないのです。
大切なのは、フレーズ全体の流れを感じながら、今出している音をしっかり聴くこと。
お箏や三味線は、弾いた瞬間から音が消えていく楽器です。
だからこそ、音の余韻を最後まで感じながら、次の音へつないでいくことが大切になります。
私は、生徒さんにもよく
「一度歌ってみてください」
とお伝えしています。
歌うと自然につながっているフレーズも、実際に弾くと急いでしまうことがあるからです。
歌ったイメージと同じように弾けているか確認することで、演奏はぐっと音楽的になります。
楽譜の数字は音を知るための目印です。
でも、本当に聴いてほしいのは数字ではなく音楽です。
数字を追いかけるのではなく、自分が出した音をよく聴く。
そして、その音を次の音へつなげていく。
そんな演奏を目指して、私自身も日々お稽古を続けています。
