誰のための稽古なのか、わからなくなったとき

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昔ながらの箏の会では、何かとお金がかかります。
その環境が合う方もいらっしゃいますし、納得して自己投資されている方にとっては問題ない世界だと思います。

ただ、部活動の延長のように合奏を楽しみたい方や、純粋に上達を目指す方にとっては、負担や違和感を感じることもあるかもしれません。

特に子育て中の方にとっては、時間や費用の面で継続が難しくなることがあります。
続けるには、強い意志やご家族の理解・協力が必要になる場合もあります。

私は、高校生の頃から、結婚や子どもという形にとらわれない生き方を考えてきました。生涯独身でもいいし、結婚しても子どもを持たないことを自然に受け止めていました。
その分の時間やお金をお稽古に注ぐことを選び、会に所属しながら長く続けてきました。運営に関わることにも携わってきました。

20代から40代半ばまで、お稽古を優先して仕事を調整し、生活の多くをお稽古に合わせてきました。
その中で、家庭のことを後回しにしてしまった時期もあります。
予想以上に費用がかかり、金銭的にも無理を重ねてきました。

けれど、40代に入った頃から、ふと立ち止まるようになりました。

「私は何のために続けているんだろう」
「箏を大切にしているのか、それとも会を優先しているのか」

会や先生のための支出が増えていく中で、自分の求める形とは少し違ってきたのかもしれないと感じるようになりました。

簡単には離れられない立場にありましたが、
悩んだ末に、勇気を出してその環境から離れることを決めました。

今まで積み重ねてきたものを手放すようで怖さもありましたが、結果的に、すべてをリセットして本当によかったと思っています。

その後、とても人間的にも技術的にも素晴らしい先生と出会うことができました。

何かを強制されることはなく、自分の意思で選び、考え、行動できる環境。
その中で、改めて音と向き合うことができています。

そして同じ頃、人生を見直す中で、長年の夢だった猫との暮らしも始まりました。

生後2ヶ月のラテ
生後2か月の頃

猫に関する書籍や獣医師のYouTube動画を参考に、自分なりに情報を取捨選択してきました。
フードやトイレ、トイレ砂を試行錯誤して選び、体重の変化を記録する日々も、大切なものになっています。

以前は箏を最優先にする生活でしたが、今はそれだけではありません。

人から「推しは?」と聞かれると答えに迷ってしまうのですが、周りからは「箏が推しだよね」と言われます。

確かに、演奏は今も探求し続けています。
でも、今の私にとっての大切なものは、箏だけではありません。

「推し」という感覚ではなく、猫との暮らしは生活の一部になっています。

猫やうさぎのことも同じくらい大切で、イベントに出かけたり、好きな作家さんの作品を無理のない範囲で楽しんだりしています。

ラテくんモデルのアクリルキーホルダー
ラテがモデルのキーホルダー

今日もレッスンの合間の2時間で、阪神百貨店のまるごと猫フェスティバルに行ってきました。

そうやって、自分の「好き」をバランスよく大切にできるようになった今が、いちばん楽しいと感じています。

だからこそ、私の教室では
無理をせず、生徒さんそれぞれのペースで音を楽しめる場所でありたいと考えています。