※この記事は2022年5月に公開した記事を、2026年6月に加筆・修正したものです。
Y先生のことを初めて知ったのは、2008年のことでした。
知人からチケットを譲り受け、仕事帰りに邦楽グループのコンサートを聴きに行きました。
舞台の上で、箏や十七絃、三絃を演奏するY先生の姿はとても印象的でした。
凛とした佇まいと美しい音色。
「素敵な先生だな」
そう思いながら聴いていましたが、その時はまさか自分がお稽古をお願いすることになるとは想像もしていませんでした。
それから14年。
2021年、私は長年続けてきた社中を離れる決意をしました。
20年以上在籍した場所を離れることは簡単なことではありませんでした。
それでも、新しい環境で学びたいという気持ちが少しずつ大きくなっていました。
そして2022年3月に正式に退会。
翌月、勇気を出してY先生に連絡し、ワンレッスンをお願いしました。
初めてのレッスンで教わったことは、今まで受けてきた指導とは違う視点がたくさんありました。
当時の私は、楽譜通りに弾くことはできても、自分の音に納得ができずにいました。
音が硬い。
力で弾いているように感じる。
どうすれば理想の音に近づけるのか分からず、長い間モヤモヤしていました。
そんな私に、Y先生は演奏経験や肩書きにとらわれることなく、今の演奏をまっすぐ見てくださいました。
そして、音の出し方や身体の使い方、音のつながりについて丁寧に教えてくださいました。
レッスンが終わる頃には、
「もっと良くなれるかもしれない」
そんな希望が見えていました。
その場で次回のレッスンをお願いし、気がつけば今日までお稽古に通い続けています。
あれから4年。
Y先生から教わったことを繰り返し練習する中で、以前は分からなかったことが少しずつ見えてきました。
音の伸びを感じること。
歌うように弾くこと。
一つひとつの音を大切にすること。
簡単なことではありませんが、だからこそ面白いのだと思います。
2008年のコンサートで先生の演奏を聴いた時、15年後に弟子として教えていただくことになるとは想像もしていませんでした。
人生は不思議なものですね。
あの時、勇気を出して連絡して本当に良かったと思っています。
